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調律への道程・12

まだ正式に依頼出来たわけではないのに、Lucからどんどんスケッチが送られてくる。
描いているのは、おそらく同室になった人物たちだろう。
どの顔も曰わくありげに見え、キャラクターとしてそそる。

ゲームの骨子はLucによってもたらされた事は間違いない。
ただ、彼とは旅行中に知り合ったという関係で、実のところ、その人となりはよくわかっていない。
現在の居所はよくわからないし、連絡手段も国際郵便のみだ。
言語の壁によってコミニュケーションが円滑だとは言い難い。
業務委託を成立させるための問題は山のようにある。

そう。これから始めることは、遊びではない。社会的責任が生じる仕事だ。
信用に足る材料は、目の前におびただしいスケッチしかない。

ただこれは遊びを作る仕事だ。
障壁の前で佇んでいても、世界は何も変わらない。

翻って自分自身の事を考えてみれば、僕だってLucと同様のイカガワシイ存在であることに変わりない。
僕にあるのは過去に作った作品だけで、それを信用してもらっている。

Lucを起用することはリスクも高いが(というか通念上ありえない)、
しかし、抗いがたい魅力を放つ絵が目の前にあるのだ。
無理を通して道理を引っ込ませるしかない。
それをやってのけてこそ遊びの仕事、仕事の遊びである。

ゲーム画面を検討する打ち合わせの日、
僕はどこの馬の骨とも知れぬ人物(ごめんよLuc!)がハイペースで送ってくるスケッチを携え、
指定された公園へと赴いた。
調律への道程・12_a0016659_11204554.jpg

  by kazutoshi_iida | 2009-06-21 02:06 | 飯田和敏・記 | Comments(1)

Commented by usedcarauction at 2009-09-15 05:55 x
Hey very nice blog!!

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